大人のドリルが120万部を突破したとのこと。何が売れるかわからないものだが、この手の書籍が出ることに常々違和感を持っている身として、あえてこれらの購入層を小馬鹿にしてみようと思う。
痴呆症対策とか老人ホームでのニーズがあるのはわかる。本人たちはもとより、周辺で介護されているみなさま(おそらく私には絶対できないので素直に尊敬する)にとって目に見える形でメリットがでるわけだし。だが痴呆でもなく老人でもないそこらへんにいる普通の大人がこれらを購入して首尾よく成果が出て脳の働きを活発にし、老化を防いだ先にすることはなにか。長生きできるようになるのかそりゃ結構。むやみに長生きしてそうでなくてもただでさえ上がつかえている日本の成長にさらにブレーキをかけるつもりか。痴呆が止まっても知識が向上するわけではないので、今の頭の悪さをそれ以上低下させないという迷惑レベル維持にとどまる活動であることに気付け。せいぜい健康に留意して100歳までゲートボールでもしていてくださいお願いですから。
こういう本を買って悦に入っている暇があれば同じだけのパワーをかけて普通の書籍を読め。物事を覚える努力をしろ。新しいことに手を出せ。大人のドリルなどという一度通過した道にあえて踏み込んで後ろ向きの達成感に浸っている輩はそれだけで知的に怠惰であることに無自覚な端的にいえばなまけものである。
そしていうまでもないことだが、私はドリルが苦手である。
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