読み進めながら新人時代にお世話になった外資系企業の帳簿とか伝票を思い出してあれ目から汗が。
外資系企業所属、または外資系企業の経理部門を目指す読者向けに「外資系企業特有の経理知識」をコンパクトにまとめている。内容が妙にOracle EBS寄りだなあと思いながら読んでたけど該当パートはおっさんスキー指導員の桜本利幸さん協力なわけですね。納得。
(目次引用)
第1章 外資系企業を取り巻く環境と経理業務
第2章 外資系企業の会計帳簿管理
第3章 外資系企業の会計帳簿報告
第4章 外資系企業の内部統制
第5章 外資系企業の予算管理
第6章 外資系企業の税務
外資系企業は入門者にはハードルが高い、もしくは高いという印象を持たれる。勘定科目体系も基本は英語だし、会計処理も米国基準日本基準の伝統芸能的味わいと関係ないものも多いし、表示に至っては異次元の資料だ。慣れだけどね。
そのハードルの高さは本書の章立てどおり「会計帳簿の体系や処理ルール」「内部統制」「予算管理」「税務」といったポイントごとに日本との違いを意識し(あるいは目的をしっかり理解し)実務に落とし込んでいかないと回らないということに起因する。
第1章は経理業務を「コア業務」「ローカル要件」「グローバル要件」に分類して、特に「グローバル要件」(本国の開示サポートや国際税務対応など)の業務の特徴を俯瞰。コア業務とSSCの関連についても解説。チャートのそこかしこに大手コンサル臭がただようのは著者がそういうバックグラウンドということで。
第2章はOracle EBSの機能説明を中心に会計帳簿の作り方の特徴を解説。機能通貨アプローチを短くまとめて説明している親切設計。
第3章は組織体制やレポートラインの特徴について。親会社向けでも財務報告と業績評価、単体でも税務や会社法対応で普通の日本企業よりやること多いので大変よという話。
第4章はSOX法ベースの内部統制整備と運用。内部統制評価の説明は教科書通りで特徴的な記述が少ないのが残念だけど対象が対象なのでこれは仕方ないのか。
第5章は予算管理について。親会社の損益ガイドラインと予算管理の関係、Forecastと月次決算と業績管理指標の関連など。月次決算も早期化も大事ですとさらっと書いてあるけど、実際に実務で回していくのは超大変。そのあたりのギャップについても触れておくとよかったかも。
第6章は税務について。日本進出時やビジネス展開時の税務上の留意点、給与支払関連の税務、移転価格の基礎知識とケーススタディなど。ケース設定がわかりやすいけど、条文の説明が中心になっているのもこれまた対象が対象だけに説明の仕方が難しい。さらりと読んだ。
入門者が外資系企業特有の事情をイメージできるという点では第3章や第6章が参考になろうかと。
「おわりに 英語力の伸ばし方」は外資系で仕事をするにあたっての英語力の大事さ、習得の方法などが書かれている。個人的にはここの記述が一番わかりやすく共感できた(著者にしてみれば不本意かもしれないけど)。誰でも最初は初心者なので地道にスキルを積む努力を怠ってはいけないですよという話。あれ耳から汗が。
第1章 外資系企業を取り巻く環境と経理業務
第2章 外資系企業の会計帳簿管理
第3章 外資系企業の会計帳簿報告
第4章 外資系企業の内部統制
第5章 外資系企業の予算管理
第6章 外資系企業の税務
外資系企業は入門者にはハードルが高い、もしくは高いという印象を持たれる。勘定科目体系も基本は英語だし、会計処理も米国基準日本基準の伝統芸能的味わいと関係ないものも多いし、表示に至っては異次元の資料だ。慣れだけどね。
そのハードルの高さは本書の章立てどおり「会計帳簿の体系や処理ルール」「内部統制」「予算管理」「税務」といったポイントごとに日本との違いを意識し(あるいは目的をしっかり理解し)実務に落とし込んでいかないと回らないということに起因する。
第1章は経理業務を「コア業務」「ローカル要件」「グローバル要件」に分類して、特に「グローバル要件」(本国の開示サポートや国際税務対応など)の業務の特徴を俯瞰。コア業務とSSCの関連についても解説。チャートのそこかしこに大手コンサル臭がただようのは著者がそういうバックグラウンドということで。
第2章はOracle EBSの機能説明を中心に会計帳簿の作り方の特徴を解説。機能通貨アプローチを短くまとめて説明している親切設計。
第3章は組織体制やレポートラインの特徴について。親会社向けでも財務報告と業績評価、単体でも税務や会社法対応で普通の日本企業よりやること多いので大変よという話。
第4章はSOX法ベースの内部統制整備と運用。内部統制評価の説明は教科書通りで特徴的な記述が少ないのが残念だけど対象が対象なのでこれは仕方ないのか。
第5章は予算管理について。親会社の損益ガイドラインと予算管理の関係、Forecastと月次決算と業績管理指標の関連など。月次決算も早期化も大事ですとさらっと書いてあるけど、実際に実務で回していくのは超大変。そのあたりのギャップについても触れておくとよかったかも。
第6章は税務について。日本進出時やビジネス展開時の税務上の留意点、給与支払関連の税務、移転価格の基礎知識とケーススタディなど。ケース設定がわかりやすいけど、条文の説明が中心になっているのもこれまた対象が対象だけに説明の仕方が難しい。さらりと読んだ。
入門者が外資系企業特有の事情をイメージできるという点では第3章や第6章が参考になろうかと。
「おわりに 英語力の伸ばし方」は外資系で仕事をするにあたっての英語力の大事さ、習得の方法などが書かれている。個人的にはここの記述が一番わかりやすく共感できた(著者にしてみれば不本意かもしれないけど)。誰でも最初は初心者なので地道にスキルを積む努力を怠ってはいけないですよという話。あれ耳から汗が。
最近のコメント